育児と看護師の仕事の両立:制度の読み方と、職場に聞くこと
短時間勤務、残業免除、時間外・深夜業の制限、子の看護等休暇。子の年齢ごとに何が使えるかを、令和7年4月・10月施行の改正まで、国の資料で整理します
子どもは4歳と1歳。保育園のお迎えは18時。17時45分に終わるつもりが、申し送りが長引いて、病棟を出られたのは18時をまわっていた。
(これは、読者の状況を想定した架空の場面です。実在の誰かの体験ではありません。)
こういうとき、頭に浮かぶのは「時短にするしかないのかな」「夜勤は減らせないのかな」という問いかもしれません。ですが、先に確かめたいのは別のことです。どの制度が、子の年齢の、どの段階で使えるのか。そして、あなたの職場は、何を整えているのか。
この記事では、国の資料をもとに、制度の読み方を整理します。2025年4月と10月に施行された令和6年改正も含みます。ここに書くのは国の定めた最低限の内容で、あなたの職場にそのまま当てはまるとは限りません。個別の事情の判断や、法律の助言はできません。確認した版は、2026年11月3日時点で厚生労働省が掲載している令和7年10月1日版の条文と、Q&A(令和7年9月24日時点)です。これより新しい版が出ていないか、使う前に公式ページ[S10]で確かめてください。気になる点は、職場の窓口に、そして公的な相談窓口に確かめてください。
先に押さえる3つのこと
- 使える制度は、子の年齢で変わります。 3歳未満、3歳から小学校就学前、小学校3年生修了まで。この3つの線で考えると、整理しやすくなります。
- 3歳から小学校就学前の子には、会社が「5つの措置から2つ以上」を選んで整える義務があります。 何を選んだかは職場ごとに違います。「制度はありますか」より、「うちは何と何を選んでいますか」が、正しい問いです。
- 「夜勤免除」という名前の制度は、この記事で確認した条文・省令・指針・パンフレット・Q&Aの中には見当たりませんでした。 夜に関わる制度として確認できたのは、深夜業の制限(午後10時から午前5時)です。時短にしたときの給与・賞与・昇進の具体的な金額や率も、これらの資料には書かれていません(不利益な取扱いをしてはならないという考え方は、指針にあります)。
子の年齢で、使える制度を見る
法律では「小学校就学の始期に達するまで」「3歳に満たない」「小学校第3学年修了前」という言い方をします。次の3つの区切りで読みます。
3歳未満
- 短時間勤務:1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む制度を、事業主は整える義務があります[S36][S37]。
- 所定外労働の制限(残業免除)、時間外労働の制限、深夜業の制限:どれも「小学校就学前」の子が対象です[S36]。
- 子の看護等休暇:後で詳しく書きます。
3歳から小学校就学前
1. 始業時刻等の変更(フレックスタイム、時差出勤) 2. テレワーク等(月10日以上) 3. 保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配と費用負担を含む) 4. 養育両立支援休暇(年10日以上) 5. 短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む)
小学校就学後から、小学校3年生修了まで
- 使えるのは、子の看護等休暇です。対象は「9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子」です[S36]。ここまで広がったのは、2025年4月1日からです。それまでは小学校就学前まででした[S35]。
- 残業免除、時間外の制限、深夜業の制限は、「小学校就学前」の子が対象で、この年齢では使えません[S36]。
この線表のうち、いちばん見落とされやすいのは、「残業免除が3歳未満から小学校就学前まで広がった」ことです(2025年4月1日施行)[S35]。3歳を過ぎて短時間勤務の義務の対象から外れても、18時の迎えには、残業免除と、後で書く措置の組み合わせが関わってきます。
4つの制度の中身
子の看護等休暇(急な発熱のとき)
- 日数:1年度に5日(子が2人以上は10日)[S36]。年度は、事業主が別に定めない限り、4月1日から翌年3月31日です[S36]。
- 取れる事由:子の病気・けが、予防接種・健康診断に加えて、2025年4月から、感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式・卒園式が加わりました[S35][S37]。授業参観日や運動会は含まれません。会社が独自に認めるのは構いません[S35][S39]。
- 取り方:1日単位か、時間単位です。時間単位は、始業の時刻から連続するか、終業の時刻まで連続する形が基本です[S37]。時間単位が難しい業務として労使協定で除外された場合でも、1日単位は拒めません[S35]。
- 勤続期間:「勤続6か月未満」を労使協定で除外する仕組みは、2025年4月に廃止されました。週の所定労働日数が2日以下の人は、労使協定で除外されることがあります[S35]。
- 当日の連絡:休暇を取る当日に電話で申し出ても、事業主は拒めない、というのが国の解釈です。申出書の提出を求めるなら、事後でも差し支えないものとすべきとされています。口頭での申出も可能です[S39]。
- 証明書類:事業主は、子の病気などを証明できる書類の提出を求めることができます[S37]。ただし指針は、事後の提出を可能にするなど、労働者に過重な負担を求めないよう配慮することを求めています[S38]。通達は、書類の例として、医療機関の領収書や、保育所の連絡帳の写しを挙げています[S39]。
- 夜勤のある人へ:「労働日」は原則として暦日で数えますが、交替制で勤務が2日にわたる場合は、休暇取得当日の労務提供開始時刻から継続24時間を1労働日として扱う、と通達に書かれています[S39]。
- 賃金:休暇期間中の賃金の支払いを義務づけるものではない、とされています[S39]。有給か無給かは、就業規則と賃金規程で決まります。
所定外労働の制限(残業免除)
- 対象:小学校就学前の子を養育する労働者が請求したとき、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、所定労働時間を超えて働かせてはならない、という制度です。2025年4月1日から、それまでの3歳未満が、小学校就学前まで広がりました[S35][S36]。
- 請求:1か月以上1年以内の期間を決めて、開始の1か月前までに請求します[S36]。
- 除外:労使協定で、勤続1年未満の人と、週の所定労働日数が2日以下の人は、請求できないと定められていることがあります[S36][S37]。
- 「事業の正常な運営を妨げる場合」:事業所を基準に、担当する作業の内容、繁閑、代替要員を置く難しさなどから客観的に判断されます。国は、請求どおり制限を受けられるよう「通常考えられる相当の努力をすべきもの」で、単に所定外労働が事業運営上必要という理由だけでは、拒めないとしています[S35]。
- 短時間勤務と同時に請求することも、できます[S35]。
- 管理職の人へ:労働基準法の管理監督者は残業免除の対象外ですが、判断は肩書きではなく実態です。「師長」「主任」という呼び名だけでは決まりません[S35]。一方、3歳以降の「柔軟な働き方を実現するための措置」は、管理監督者も対象です[S40]。
時間外労働の制限
- 対象:小学校就学前の子を養育する労働者が請求したとき、1月について24時間、1年について150時間を超えて、時間外労働をさせてはならない、という制度です。事業の正常な運営を妨げる場合は除きます[S36]。
- 請求は、1か月以上1年以内の期間を決めて、開始の1か月前までです。勤続1年未満の人などは、除外されることがあります[S36]。
- 所定外労働の制限(残業免除)とは別の制度です。残業免除は、所定労働時間を超えて働かせないこと。この制度は、時間外労働の上限を月24時間・年150時間に抑えることです。
深夜業の制限(夜勤に関わる制度)
- 対象:小学校就学前の子を養育する労働者が請求したとき、午後10時から午前5時までの間に、働かせてはならない、という制度です。事業の正常な運営を妨げる場合は除きます[S36]。
- 請求:1か月以上6か月以内の期間を決めて、開始予定日の1か月前までです[S36]。
- 請求できない人(条文に書かれた除外):勤続1年未満の人。週の所定労働日数が2日以下の人。所定労働時間の全部が深夜にある人。そして、請求に係る深夜に、常態として子を保育できる同居の家族等がいる人[S36][S37]。
- 「保育できる同居の家族等」の条件(省令):子の16歳以上の同居の家族で、深夜に就業していない人(深夜の就業日数が月に3日以下の人を含む)、病気や障害で子の保育が困難でない人、出産前後でない人、をすべて満たす人です[S37]。配偶者が夜勤のある仕事をしているかどうかが、ここに関わることがあります。
- 夜勤の途中の時間帯も、午後10時から午前5時にかかります。ですから、この制度が「夜勤を減らす」ことに関わるのは確かです。ただ、請求したあとの勤務表や、2交代の夜勤がどう扱われるかは、条文からは読み取れません。職場に確かめる点になります。
短時間勤務と夜勤は、どう関係する?
3歳未満の短時間勤務について、法律は、事業主が整える措置は「1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むもの」としています[S37]。ただし、次の人は労使協定で除外されることがあります。
- 勤続1年未満の人、週の所定労働日数が2日以下の人[S36][S37]
- 1日の所定労働時間が、もともと6時間以下の人[S37]
- 業務の性質や実施体制から、短時間勤務を講じるのが困難と認められる業務の人(この場合は、育児休業に準ずる措置、在宅勤務等、フレックスタイム制などの代替措置が必要です)[S35][S36]
短時間勤務にしたときに、夜勤がどうなるか、給与・賞与・昇進・退職金がどうなるかは、この記事で確認した国の資料には書かれていません。 「一般的にはこうなる」と書ける根拠がないので、書きません。不利益な取扱いについては、短時間勤務の申出や利用を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されています[S36]。パンフレットは、解雇や退職の強要、正社員からパートへの契約変更の強要も、禁止される不利益取扱いの例として挙げています[S35]。
なお、2歳未満の子を養育して時短勤務をしている人には、雇用保険から育児時短就業給付が、時短勤務中に支払われた賃金の10%支給されます(2025年4月1日施行)。時短後の賃金と給付額の合計が、時短前の賃金を超えないよう、調整されます[S35]。支給の条件の詳細は、ハローワークで確認してください。
3歳以降は「会社が選んだ措置」で決まる
3歳から小学校就学前の子について、国が見ているのは、会社が5つのうち何を選んだかです。ポイントを、パンフレットとQ&Aから拾います。
- 選び方は、職場単位でも構いません。 国のQ&Aは、企業単位でなく、事業所単位、事業所内のライン単位、職種ごとに措置の組み合わせを変えても差し支えない、としています。ただし、労働者の職種や配置から利用できないことがあらかじめ想定できる措置では、義務を果たしたことにならない、とも書かれています[S35]。
- シフト勤務・交替制の人も、対象です。 Q&Aは、一般論の例として、早番9時〜17時、遅番13時〜21時の交替制勤務で、通常はどちらの時間帯も一定割合以上の勤務が求められる場合に、希望した人は早番のみとすることを認める措置は、「始業時刻等の変更」を措置したことになる、としています。ただし「一概にお答えすることは困難」と前置きされた例示で、全職場に当てはまる保証ではありません[S35]。
- 「始業時刻等の変更」は、送迎のためのものでなければなりません。 保育所への送迎の便宜などを考慮して、通常の始業や終業の時刻を繰り上げ・繰り下げる制度である必要があります[S35]。
- 養育両立支援休暇は、無給でも差し支えありません。 会社が有給にするのは自由です[S40]。
- 利用を控えさせる言い方は、措置を実施したことになりません。 個別の周知・意向確認の場面で、利用の申出をしないよう抑制する、申し出た場合の不利益をほのめかす、利用の前例がないことをことさらに強調する、といった言動があれば、措置を実施したものとは認められません。特定の場面だけでなく、全体として利用を控えさせる効果があるかどうかで判断されます[S35]。
また、2025年10月1日からは、子が3歳になる前の1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)に、会社は選んだ措置を個別に知らせ、利用の意向を確認する義務があります[S35]。さらに、本人や配偶者の妊娠・出産の申出があったときと、子が3歳になる前の適切な時期に、会社は勤務時間帯・勤務地・制度の利用期間・仕事と育児の両立に関わる条件について、意向を聴き、自社の状況に応じて配慮しなければなりません。配慮は、検討することは必要ですが、意向どおりにしなければならない、というものではありません。応じられない場合は、理由を説明するなど丁寧な対応が重要とされています[S35]。
国の指針も、看護師に向けて両立支援を求めています
国の「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」は、看護師等の離職理由として、30歳代・40歳代では結婚・妊娠・出産・子育てが多いことを挙げています。そのうえで、病院等が、育児・介護との両立支援として、育児休業、子の看護休暇、深夜業の制限、所定外労働の制限(残業免除)、時間外労働の制限(残業制限)、所定労働時間の短縮(短時間勤務)などの措置を適切に講じることが重要としています[S34]。これらは、病院の側が整えるべきものとして書かれています。
私たちの読み方
迎えの時刻は決まっているのに、病棟の時間は読めない。しかも制度は子の年齢ごと、種類ごとに線が引かれていて、調べる時間そのものが取りにくい。ここまで読んで、頭がいっぱいになっているかもしれません。
ここからは、上に並べた事実を踏まえた私たちの読み方です。解釈なので、出典つきの事実とは分けて読んでください。個別の可否の判断や、法律の助言ではありません。
数字が意味すること
3つの線のうち、最初に来るのは3歳です。3歳未満の短時間勤務は、会社が整える義務のある制度でした。3歳からは「5つから2つ以上を会社が選ぶ」形に変わります[S35][S36]。私たちは、これを「質問の形が変わる線」と読んでいます。3歳までは「使えますか」と聞けば足りたものが、3歳からは「うちは何と何を選んでいますか」と聞かないと、話が始まりません。
もう一つ。残業免除が就学前まで広がったことは、確かに追い風です[S35]。ただ、残業免除が止めるのは「所定労働時間を超える分」です[S36]。申し送りが延びて迎えに遅れる、という場面には効きますが、そもそも所定の終業時刻が迎えの時刻に間に合わない場合には、残業免除だけでは足りません。そのときに候補になるのは、短時間勤務や、始業・終業時刻の変更のほうです。
そして、小学校に上がると、使える制度は子の看護等休暇だけになります[S36]。私たちは、入学の前の1年間を、制度の外の段取りも含めて職場と話し始める時期と読んでいます。
トレードオフ
- 短時間勤務は、迎えに間に合う可能性が高まります。一方で、収入と、夜勤の扱いに影響が出ることがあります。夜勤の扱いは、確認した国の資料には書かれていません。収入の内訳は時短勤務にすると、看護師の年収はどうなる?で整理しています。
- 残業免除と時間外労働の制限は、条文上は別の制度です。免除は所定労働時間を超えて働かせないこと、制限は月24時間・年150時間の枠に抑えることです[S36]。枠が残る分、制限のほうが職場にとっては受け入れやすく、免除のほうが迎えの時刻は守りやすい、と私たちは読みます。どちらを請求するかは、遅れが「毎日の数十分」なのか「月に数回の大きな延び」なのかで考え方が変わります。
- 深夜業の制限は、夜に家にいられる可能性が高まります。ただ、請求は1か月以上6か月以内の期間ごとで、同居の家族の状況によっては請求できません[S36][S37]。「夜勤をやめる」ではなく「期間を区切って夜勤を外す」制度、と私たちは読みます。請求したあとの勤務表がどうなるかは、条文からは読み取れないので、職場に確かめる点です。
- 請求は開始の1か月前までとされています[S36]。急な事情には使いにくい作りなので、使うかもしれない時期の少し前に、職場に聞いておくほうが動きやすい、と私たちは読みます。
条件別の見立て
- 末子が3歳未満なら、短時間勤務の対象か、労使協定で除外されていないかを、まず確かめます。
- 3歳から就学前なら、会社が選んだ措置を確かめます。交替制勤務なら、「始業時刻等の変更」として早番のみのような運用ができるかを聞きます[S35]。
- 遅れの原因が申し送りなどの延長なら、残業免除か時間外労働の制限が関わります。所定の終業時刻そのものが遅いなら、短時間勤務や時刻の変更が関わります。
- 夜勤が壁なら、深夜業の制限を請求できる条件(勤続年数、同居の家族の状況)に当てはまるかを、条文と省令の範囲で見ます[S36][S37]。
- 急な発熱が心配なら、子の看護等休暇です。当日の申出は拒めないという国の解釈があり、有給か無給かは就業規則で決まります[S39]。
- 役職がある場合は、肩書きではなく実態で決まる点を、先に確かめます[S35]。
この見立ての根拠と、変わる条件
根拠は、条文(S36)、省令(S37)、パンフレット(S35)に書かれた対象年齢・請求期間・除外条件です。そこから「質問の形が変わる」「免除と制限は強さが違う」といった読みを引き出したのは私たちで、国がそう書いているわけではありません。
見立てが変わるのは、次のようなときです。就業規則が国の定めより手厚いとき。労使協定で、自分が除外されているとき。職場の人員体制や勤務表の組み方が、ここで想定した形と違うとき。制度がさらに改正されたとき。私たちは、あなたの職場の運用を見ていません。就業規則と、職場の窓口の説明が、この記事より優先されます。
今週やること
調べる時間が細切れでも、書き出すのは日付3つだけです。次の3つの日付を、末子の生年月日から書き出してください。
- 3歳になる日:短時間勤務の義務の対象が変わり、「会社が選んだ措置」の対象になる線
- 小学校就学の日:残業免除・時間外の制限・深夜業の制限の対象でなくなる線
- 9歳に達する日以後の最初の3月31日:子の看護等休暇の対象でなくなる線
そして、就業規則の「育児」の章を開いて、付箋を貼ってください。章が見つからないときは、見つからなかったことが、最初の質問になります。
職場に聞いてみたいこと
- 3歳から小学校就学前の子について、会社が選んだ措置は、どれとどれですか。病棟や職種で違いはありますか。
- 交替制勤務の人は、「始業時刻等の変更」として、早番のみのような選び方ができますか。
- 残業免除や時間外労働の制限、深夜業の制限の請求書は、どこに、どの形で出しますか。請求の期間は、どのくらいの単位で更新しますか。
- 子の看護等休暇は有給ですか。時間単位は使えますか。当日の連絡は、誰に、どの方法ですか。証明書類は、事後でもよいですか。
- 短時間勤務や、選んだ措置を使っているとき、夜勤・賞与・昇進・人事評価はどう扱われますか。就業規則や賃金規程の、どこに書かれていますか。
- 実際に、これらを使っている人は、どのくらいいますか。
「聞いたら嫌な顔をされないか」と思うかもしれません。法律上は、利用を控えさせるような言動は措置の実施と認められず、制度の申出・利用を理由とする不利益な取扱いは禁止されています[S35][S36]。聞くこと自体は、制度を使うための普通の手順です。
夜勤を減らす選択肢そのものについては、夜勤は「続ける」か「やめる」かの二択ではありませんで、選べる働き方の数字を整理しています。
よくある疑問
「夜勤免除」は、権利ですか。お願いですか。
「夜勤免除」という名前の制度は、この記事で確認した条文・省令・指針・パンフレット・Q&Aの中には見当たりませんでした。関係する制度として確認できたのは、深夜業の制限です。小学校就学前の子を養育する労働者が請求できますが、事業の正常な運営を妨げる場合は除かれ、勤続1年未満の人などは請求できません[S36]。自分の場合に請求できるかどうかの判断は、この記事ではできません。
時短にすると、夜勤はどうなりますか。
国の資料には、書かれていません。短時間勤務の制度が、夜勤を含む勤務でどう運用されているかは、職場ごとに違います。就業規則と、人事に確かめる点になります。
当日の朝の電話で、休めますか。診断書は要りますか。
子の看護等休暇について、国の解釈は、当日に電話で申し出た場合でも、事業主は拒めないとしています[S39]。証明書類については、事業主は提出を求めることができます[S37]。ただ、指針と通達は、事後の提出を可能にするなど、過重な負担にならないよう配慮することを求めています[S38][S39]。職場のルールは、就業規則と、申出書の様式で確かめてください。
子の看護等休暇は、有給ですか。年に何日ですか。
日数は、1年度に5日(子が2人以上は10日)です[S36]。有給か無給かは、国は賃金の支払いを義務づけていません[S39]。就業規則と賃金規程で、決まります。
授業参観や運動会で、子の看護等休暇を使えますか。
使えません。法的には、取得事由として認められていません。会社が独自に認めるのは、差し支えありません[S35]。2025年4月から加わったのは、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園(入学)式・卒園式です[S35][S37]。
師長・主任など、役職があると使えませんか。
肩書きでは決まりません。労働基準法の管理監督者かどうかは、名称ではなく実態で判断されます。管理監督者は、残業免除の対象外ですが、3歳以降の「柔軟な働き方を実現するための措置」の対象にはなります[S35][S40]。
パートに切り替えると、何が使えなくなりますか。
制度ごとに、除外される条件が違います。たとえば、週の所定労働日数が2日以下の人や、勤続1年未満の人が、労使協定で除外されることがあります[S36][S37]。「切り替えると有利」「不利」と、一覧で言い切れる公的な資料は見つかりませんでした。パートへの契約変更を強要することは、禁止される不利益取扱いの例として、パンフレットに挙げられています[S35]。
次に読む
- 夜勤は「続ける」か「やめる」かの二択ではありません
- 「夜勤は月8回」は多いの? 基準の読み方と、職場に聞きたいこと
- 育児・介護・復職の制度と支援|公式ページの案内
- 看護師の退職理由は、年代で入れ替わる
- 看護師の求人票で確認したい条件
参照した公式情報
| 出典 | 対象 | 確認日 |
|---|---|---|
| 厚生労働省 育児・介護休業法について | 育児休業・子の看護等休暇・短時間勤務・所定外労働の制限・介護休業など、制度の公式な案内(適用条件・日数は本ページと関連パンフレットで確認) | 2026-11-02 |
| 厚生労働省 パンフレット「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」 | 令和6年改正(令和7年4月・10月施行)の内容:子の看護等休暇(対象・日数・事由)、所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大、3歳未満の短時間勤務の代替措置、3歳から小学校就学前の子への「柔軟な働き方を実現するための措置」(5つから2つ以上)、個別周知・意向確認、個別の意向聴取・配慮、育児時短就業給付、不利益取扱いの禁止 | 2026-11-03 |
| 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)令和7年10月1日施行版(厚生労働省掲載の改正後全文) | 条文:子の看護等休暇(第16条の2)、所定外労働の制限(第16条の8)、時間外労働の制限(第17条)、深夜業の制限(第19条)、短時間勤務(第23条)、3歳から小学校就学前の子への措置(第23条の3)、不利益取扱いの禁止 | 2026-11-03 |
| 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則 令和7年10月1日施行版(厚生労働省掲載の改正後全文) | 省令:子の看護等休暇の取得事由・時間単位の取得(第32〜35条)、所定外労働の制限・短時間勤務・深夜業の制限の除外される労働者(第44条・第60〜61条・第72〜73条の2)、短時間勤務は「原則として6時間」を含むこと | 2026-11-03 |
| 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針(令和7年10月1日・厚生労働省掲載の改正後全文) | 事業主が講ずべき措置の指針:子の看護等休暇の弾力的な利用への配慮、証明書類の事後提出の可否への配慮、3歳以降の措置の望ましい内容 | 2026-11-03 |
| 厚生労働省「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」(通達・令和7年10月1日) | 法の解釈(子の看護等休暇:当日の電話による申出、「労働日」の数え方、賃金の支払義務、授業参観・運動会の扱い) | 2026-11-03 |
| 厚生労働省「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」(令和7年9月24日時点) | 令和6年改正の運用の考え方(交替制勤務の労働者への措置、短時間勤務が6時間以下の人の扱い、管理監督者、養育両立支援休暇の賃金) | 2026-11-03 |
| 文部科学省・厚生労働省「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」(告示。厚生労働省の制度ページに令和5年10月26日付けと表示) | 夜勤等の業務負担の軽減に関する国の基本指針(3交代制の月8回以内の夜勤体制、休憩・仮眠、勤務間インターバルの努力義務の記載) | 2026-11-03 |